《人生の秋》あなたは誰と、どんなふうに過ごしていたいですか?

寄り添う老夫婦
photo by ATOHS-san

この度の台風19号で被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。また当方のご心配をくださった方々、ありがとうございました。13(日)午後より通常営業を再開しております。

先日たまたま、奈良の薬師寺長老・安田暎胤(えいいん)師の「人生を四季に例える」お話をネットで目にする機会がありました。暎胤長老は子どもの頃から漠然と、人は120歳(!)くらいまで生きられるんとちゃうか?と考えておられたそうです。今や「人生100年時代」とも言われますし、そのうち本当にover100が珍しくない時代になるかもしれませんね。

長老によれば、身体的ピークと言われる25歳まで=春、その後〜定年を迎える65歳まで=夏、さらに定年後から90歳まで=秋、それ以降を冬とする、と。

……今、わたしたち「夏本番」ってことでOK? イエーイ!

と手放しで浮かれるほどではなくても、正直「65歳?全然ピンと来ないわあ」という人は多いんじゃないでしょうか。今年52歳の「ギリ晩夏」なわたしですら、まだ自分が現役世代という感覚があるので、30代40代のかたなら当然だと思います。

仕事は毎日そこそこ忙しく、休日には一緒に遊んでくれる友だちもいて、さいわい大きな病気もケガもなく、特に「困ってる」こともない。そろそろオールはつらいけど、まだそれなりに体力も気力もある。といううちは「どう過ごすか」を考えるスパンが今=今日いちにち、今週、今月、今年のうちに……くらいですよね。せいぜい。

わたしも「アラフォー」と呼ばれる年代までは、まったくもって「夏本番」気分でした。昔に比べると、今は実年齢×0.7くらいが「精神年齢」としてシックリくるらしいので、40歳でも×0.7なら28歳。そりゃー真夏ですわ。笑

でも、人生って「常夏」じゃないのも確か。特に今回のような大きな天災を目の当たりにすると、もしこれが10年後、20年後、自分の身に降りかかったら……と一瞬想像するだけでも、何とも言えない気持ちになります。

本来なら「人生の秋=実りの季節」であり、穏やかで豊かな日々でありたいもの。経済的な豊かさもあるに越したことはありませんが、ものやお金以上に「人とのつながり」が大切になる季節ではないでしょうか。誰と、どこで、どんなふうに暮らしてゆくのか。特にこの【誰と】が、とても重要になると思いませんか?

誰でもいいわけじゃない。単に大勢いれば、楽しいわけでもない。

実はこの一カ月の間に「アラフォーじゃないけど興味あります」と、月末の婚活イベントに触れてくださったアラフィフ以上の独身女性が何人もいらっしゃいました。あまりに次々現れるので、別企画を立ち上げたほうがいいのかな……と共同主催者と相談したくらい。

彼女たちに話を聞くと、皆さん一様に「本当に結婚したいのかどうかは、正直分からない。別にいいかなとも思うし、しない気もする。でも気になる」と。

この「でも気になる」の意味するところが何かは、人それぞれかと思います。だけど、ふと「この先の人生」を考える時間が、かつてより増えたであろうことと無関係ではない気がするのです。結婚相手に限らず「この先、自分が【誰と】どんなふうに過ごすのだろう?」と考えた時、出来れば温かなつながりがあって欲しい……

今はまだ、夏本番にいるかもしれないあなたも、時には「人生の秋」に想いを馳せてみませんか。それは決してわびしいことではないし、むしろ今から考えておくこと、出来る準備をしていくことはクリエイティブな生き方じゃないでしょうか。