堀内亜紀=あの世とこの世を絵筆で繋ぐ人

新作をバックに「おたま」センターで画伯とツーショット
新作をバックに「おたま」センターで画伯とツーショット

先日の日曜日、京都は法然院さんの講堂まで「堀内亜紀 -ANGELUS NOVUS-」展を見に行ってきました。会期が台風10号襲来と丸被り!にも関わらず、この日はほとんど雨も降らなかったんです。奇跡。

会場の法然院講堂
会場の法然院講堂
旧作から最新作まで素晴らしいラインナップ
旧作から最新作まで素晴らしいラインナップ

トップのツーショからお分かりのように、普段の彼女はとても気さくでチャーミング。持参した「おたま」を面白がって、進んでポーズを取ってくれるようなお人柄なんです。が、

絵を「降ろしている」時は、別人。というか「人」ですらないのかも。

堀内亜紀:aki horiuchi

書籍表紙画やタロットカード作画などを多く手がけたイラストレーターを経て、2011年より“自動書記”とも思われる描画が始まりました。そうして生まれてくる作品は時に世界の出来事と密接なリンクを見せます。 意識と無意識の境界を探り深層心理から湧き上がる事象を否応なく感得し描いた作品たちは古くあり新しい世界の成り立ちと現在を内包しているのかもしれません。世界の重層性と個々の存在が交錯する瞬間を感じていただければ幸いです。

プロフィールにもあるように、彼女は作品を制作する際、途中までは「何を描いているのか分からない」のだそう。自分の内側から湧き出るものを表現するというよりは、別の次元からやってくる《何か》をキャンバスに繋ぎ止める、という稀有な存在なんです。

いやそうは言うても、あんな大作ですらノープランでちゃんと納まるの!?と、毎回不思議でしゃーないんですけどね。ほんと、一度はその目でご覧いただきたいです。

こちらは比較的「小品」と呼ばれる作品かと思いますが、今回特にイイな〜と思ったので、許可をいただいてご紹介。実物はもっともっと緻密で繊細なんですよ。

個展で亜紀ちゃんが在廊している時はいつも、絵を見て浮かんだことを自由に喋ります。それを作者本人が一番面白がって聴いてくれるので。笑

美術館で静かに「絵を鑑賞」するのとは違って、こうした個展会場では作品を介して【交感】できるのが、とっても楽しいんですよねー

ところが今回含め、亜紀ちゃんの個展を長年サポートしているStar Poets Gallery(通称スタポ)のギャラリスト・今村仁美さん曰く、

「ひろかもちゃんみたいに喋ってくれる人、本当にいないのよー! もっと自由にアートを感じて、表現してもらいたいわあ」

横で聞いてる亜紀画伯も、めっちゃ頷いてました。アーティストご本人に直接感想を言うなんて、気が引ける……!という人も多いんじゃないかと思いますが、「大抵の作家さんたちは嬉しいのよ」だそうです。

何を感じても、何を語っても、それはあなたの感性を表現する、ということ。

アートは「飾るもの」ではなく「起動させるもの」

なんだよーん。特に「堀内亜紀」の絵は、そう。

明らかに「この世のものじゃない」もんを、地上に引っ張って来てるからねー。ちょっとゾクリ、とする人もいるかもしれません。でもそれは、ある意味とても自然な反応だと思う。

Aki Horiuchi Solo Exhibitionオリジナルグッズ/パンフレット・DM・名刺
Aki Horiuchi Solo Exhibitionオリジナルグッズ/パンフレット・DM・名刺

わたしが「この子ウチの子や!」と、亜紀ちゃんの絵を衝動買いした時も、買ったのは「絵という物体」だったけど、手に入れたのは《それ以上の何か》でした。というか、

その《何か》をどーーしても手元に置いておきたくて、絵という形あるモノを購入した、というのが正しいですね。

出会ってしまったからには、もうスルーできない!

タイトル(何の絵)とか値段とか、ほんと全部後付けっていうか。それに本当に手に入れたいと思ったら、何とかなっちゃうんですよ。絵に限らず。

ちなみに「ウチの子」と出会った当時のブログも残ってました。2014年、ちょうど10年前ですね。全体的に変なテンションなのは、出会ってしまった喜びゆえとご容赦ください。笑

あれから10年経っても、ウチの子は相変わらず可愛いです。けど、今改めてじっくり眺めたら、当時は気づいてなかったパーツが浮かび上がって見えてきました。わーお。

まあ「天地開闢の神さま」の絵ですからね。何が起きても不思議じゃない。画伯曰く、トイストーリーのキャラの声だそうですが。

亜紀ちゃんとは、近いうちに彼女のホームグラウンド・奈良で再会することを約束しました。「おたま」連れて、大神神社にもお参りしたいんだよねえ。楽しみです!

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